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2023.03.31
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お産の歴史~明治時代から始まった仰向けでの出産~
石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
好評のお産の歴史シリーズ、最終回は明治時代のお産についてお話しします。
江戸時代中期までは座位分娩(座った姿勢でのお産)が主流で、天井から吊るした力綱につかまって出産していました。
しかし、江戸時代後期から鉗子分娩(かんしぶんべん)が登場しました。
鉗子分娩とは、鉗子(かんし)という金属製の2枚のへらを組み合わせたはさみのような器具で、赤ちゃんの頭を両側からはさんで引き出す分娩のことです。
現在のように帝王切開技術が発達していなかった江戸時代。緊急時に対応する分娩法として鉗子分娩が行われていました。
そして仰向けの姿勢の方が鉗子分娩がしやすいという理由で、仰臥位(仰向け)の分娩が取り入れられるようになったのです。
明治以降の助産師養成所ではこの仰向け分娩を採用したため、多くの病院で分娩台で仰臥位分娩をすることが一般化し、現在に至っています。