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2023.04.07
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鉗子分娩と吸引分娩
石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
お産の歴史シリーズで登場した”鉗子分娩”。 今回はより詳しくお話ししたいと思います。
江戸時代後期。難産のときに鉗子(かんし)という金属製の2枚のへらを組み合わせたはさみのような器具で、赤ちゃんの頭を両側からはさんで引き出す”鉗子分娩”が登場しました。
しかし鉗子分娩の技術は習得するのがとても難しく、もっと簡単に赤ちゃんを取り出すことができないかということで登場したのが”吸引分娩”です。
”吸引分娩”は読んで字のごとく、ゴムやプラスティック製のカップを赤ちゃんの頭にあてて引っ張りだす分娩方法で、鉗子分娩に比べて高度な技術を習得しなくても行うことができます。
鉗子分娩は吸引分娩よりも強い力で引っ張ることができるので緊急時に適しているのですが、手技が難しく、現在日本の医療機関では吸引分娩が主流です。鉗子分娩を行っている医療機関は少数です。