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石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
今回は妊娠中のマイナートラブル ”こむら返り” についてお話ししたいと思います。
妊婦さんで ”こむら返り” を訴える方はとても多くいらっしゃいます。
これを放置すると、高血圧、切迫早産、難産になることがありますので、そのままにしないことをお勧めします。
おなかの中の赤ちゃんは、胎盤を通じてお母さんの血液の中の栄養を吸収しています。
そのため妊娠中のお母さんの栄養が赤ちゃんにとられ、栄養不足になることがあります。
その栄養の一つにマグネシウムがあります。マグネシウムが欠乏すると、筋肉や血管が過剰に収縮するようになります。
筋肉が過剰に収縮した状態が ”こむら返り” です。
また、血管が過剰に収縮すると妊娠高血圧になります。
子宮の筋肉が過剰に収縮すると切迫早産になります。
切迫早産の患者さんが、なんとか37週まで持ちこたえて一安心…も束の間。切迫早産の患者さんは難産になる傾向があります。
理由は妊娠中に子宮が過剰な収縮を繰り返していたので、子宮の筋肉が疲弊してしまい肝心な時に子宮口が開かなくなり、分娩が止まってしまうのです。
子宮口が5~6㎝くらいで止まることが多く、陣痛促進剤が必要になります。
このようにマグネシウムが不足すると、妊娠中と分娩中いずれもトラブルが増えるのです。
マグネシウムの補給に一番お勧めなのはサプリです。
アーモンドにもマグネシウムは豊富に含まれていますが、一度不足したマグネシウムをアーモンドだけで補うには、毎日150個以上食べる必要があります。
栄養のバランスのとれた食事にプラスして、手軽にサプリでマグネシウムを補給しましょう。
”こむら返り” はマグネシウム欠乏のサインです。この体からのサインを見逃さないようにしましょう。
マグネシウムは入浴でも摂ることができます。過去のブログに詳しく書いてありますので、ご覧ください。