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石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
今回は 妊娠中に見直したい ”睡眠” についてお話ししたいと思います。
妊娠するとホルモンバランスの変化により、夜間に眠りが浅くなることがあります。
妊娠中はただでさえ1日中眠いのに、睡眠の質が悪くなることは避けたいですよね。
妊娠期間を快適に過ごすために、睡眠の質を向上させる方法をお教えしましょう。
睡眠姿勢についても触れていますので、是非参考になさってくださいね。
まずシャワーではなく、お風呂につかりましょう。
入浴することで体温が上昇し、入浴後に体温が下がると人は自然と眠気が強くなるので、そのままぐっすり眠ることができます。
就寝1~2時間前に入浴するとよいでしょう。
妊娠中の入浴については過去のブログもご覧ください。
入浴のすすめ~”冷え”から赤ちゃんとママを守りましょう~|いこまともみレディースクリニック産科分院
次に、夜のカフェインを控えましょう。
妊娠中はカフェインの摂取量に上限がありますので、たくさん飲む人はいないと思いますが、飲むのであれば朝や昼だけにしましょう。
そして、夜間のスマホを控えましょう。
スマホの閲覧は目を酷使し、ビタミンBを欠乏させます。
ビタミンBが欠乏すると睡眠障害が起こりやすくなりますので、妊娠がわかったらスマホはほどほどにしましょう。
就寝中にこむら返りで目を覚ます妊婦さんもいらっしゃると思います。
これはマグネシウムの欠乏が原因です。
マグネシウムは、睡眠不足・ストレス・寒さで消耗するので、睡眠不足の妊婦さんは、さらに睡眠不足になるという悪循環に陥ります。
マグネシウムが欠乏すると、切迫早産や妊娠高血圧症にもなりやすくなりますので、こむら返りや睡眠不足は危険なサインなのです。
マグネシウムは食事だけで摂るのは難しいので、サプリで摂取すると効果的です。
当院で取り扱っているビタミンBやマグネシウムのサプリは、ご来院いただかなくてもネットでの購入が可能です。
ご購入の際は、当院のクリニックキー 43315990 を入力してご登録ください。
最後に就寝時の姿勢について。
ネットで検索してみると、妊娠中は左側を下にした横向き寝が基本で、その理由として仰向け寝は ”仰臥位低血圧症候群” を引き起こす可能性があるからと書かれていました。
仰臥位低血圧症候群とは、子宮の重みで血流が低下して妊婦さんが低血圧ショックを起こすことです。
妊婦健診中に、エコー検査を受けていて気分が悪くなる方が稀にいらっしゃいますが、まさにこれが ”仰臥位低血圧症候群” です。
仰臥位低血圧症候群を起こした場合、体を左向きにすればすみやかに改善しますのでご安心ください。
今回はネットの情報に加えて、現役の産婦人科医ならではの最新情報をお伝えしたいと思います。
妊娠すると子宮は右に傾きます。
赤ちゃんの背中がママの左側に位置する場合、子宮が右で赤ちゃんが左にいるので左右のバランスが保たれています。
しかし、赤ちゃんの背中がママの右側に位置する場合もあります。
この場合は、子宮が右で赤ちゃんも右にいるので、重心が右に傾き、左右のバランスが保てません。
仰臥位低血圧症候群は、ママが仰向け、赤ちゃんは右側、かつ赤ちゃんの背中がママの背中側にあるときに起きます。
自分はどっちなんだろう?と考えた方、心配ありません。
ママは本能的に、自分がしんどいのか大丈夫なのかを感じとる感性を持っています。
つまり自分の感性を信じて、寝やすい、心地よいと感じる姿勢を選んでよいのです。
自ら体調が悪くなる姿勢を取ろうとする人はいません。
仰向けに寝て気分が悪くならないなら、その人にとって仰向け寝でもよいのです。
ですから、睡眠姿勢は左を下に寝ることにこだわる必要はありません。自分が快適な姿勢で自由に寝てよいのです。
ネットには様々な情報が溢れています。その情報に固執せず、ゆったりとした気持ちで妊娠期間を過ごしましょうね。