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石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
今回は 妊婦さんが産後に地味につらかった…と言われる、会陰縫合についてお話ししたいと思います。
初めての出産を控えている妊婦さんが不安に思う事に、会陰切開があります。
出産時に赤ちゃんの頭が出やすくなるように、会陰を医療用のハサミで切開することです。
初産婦さんは、ハサミで切るなんて…痛いにきまってる!と言われますが、実際は陣痛の痛みの方が強いので、切開の痛みはあまり気になりません。
いつの間に切ったの?と産後思われる妊婦さんも多くいらっしゃいます。
終わってみれば大丈夫だったと言われる会陰切開ですが、実は地味に痛いのが ”会陰縫合” です。
ちなみに当院は会陰切開を極力しない方針ですので、会陰切開率は全体の7.98%です。
これは全国平均の77%と比べて、圧倒的に少ないのがお分かりいただけると思います。
ですが、会陰切開をしなくても赤ちゃんが産まれる瞬間、自然と会陰が裂けてしまう事があります。
これを会陰裂傷と言います。
会陰裂傷は重症度に応じて、傷の縫合が必要となります。
出産を終え陣痛から解放されたのも束の間、会陰縫合が想定外に痛かったという声をよく聞きます。
必死に耐えた陣痛の後に、地味につらい会陰縫合…もう痛いのは勘弁して!と言いたくなりますよね。
私はお産の痛みについて、とれる痛みはとった方がよいと考えています。
出産という大仕事をやり遂げたママに、これ以上我慢してほしくないという思いから、当院では石川県の産婦人科で初めて笑気麻酔を導入いたしました。
そもそも会陰縫合時には、必ず局所麻酔注射をします。
しかし麻酔注射が届かない膣の奥の方の縫合や、糸が引っ張られるときの痛みは局所麻酔が効きません。
ここで笑気麻酔の出番です。
近年では歯医者さんや、美容外科クリニックでの施術時に使われることが多くなってきた笑気麻酔ですが、実は分娩時にも使えるのです。
笑気麻酔をすると、ぼーっとしてきて気持ちが落ち着き、不安感がなくなります。触られても気になりません。
意識があるのと無意識の間にいるような感覚で、完全に眠ったわけではないけれど、全身の力が抜けてリラックスモードに入ります。
不安が消え痛みが紛れるので、会陰縫合が苦痛ではなくなるのです。
さらに笑気麻酔は効果が切れるのも早く、2~3分で目覚めるので、縫合が終わればご家族と会話することもできます。
お産にまつわるすべての痛みを和らげるために、当院ではスタッフ一同心を込めてサポートしています。
どんな小さなお悩みでも、一度わたしたちにご相談くださいね。