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出産を間近に控えた臨月、「もうすぐ赤ちゃんに会える」という楽しみな気持ちがある一方で、急な吐き気や胃の気持ち悪さに悩まされる妊婦さんも少なくありません。
「これって陣痛の前兆?」「お腹の赤ちゃんに影響はないのかな?」と不安を感じることもあるのではないでしょうか。
この記事では、臨月に吐き気を感じる主な原因や和らげるための対処法、産院を受診する目安について詳しく解説します。
臨月に吐き気を感じるのはよくあること?
妊娠後期の終盤である臨月に吐き気を感じると、「せっかく初期のつわりが終わったのに……」と戸惑ってしまうかもしれません。
しかし、臨月の吐き気は決して珍しいことではなく、妊娠が進むにつれて現れる正常な反応です。
臨月の吐き気はめずらしくない症状
妊娠初期のつわりと同じように、妊娠後期から臨月にかけて起こる吐き気や胸やけは「後期つわり」と呼ばれることもあります。
吐き気の感じ方や程度、症状が続く期間には個人差があり、ほとんど感じない人もいれば、気分が悪くて横になって過ごす人もいます。
まずは「自分だけではない」と知り、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。
臨月に吐き気が起こる主な原因
臨月に吐き気が起こるのには、主に4つの原因が考えられます。
大きくなった子宮による胃の圧迫
臨月に入ると、赤ちゃんの成長にともなって子宮が急激に大きくなります。
大きくなった子宮は、みぞおちや胃、周囲の臓器を強く押し上げるため、胃の内容物が逆流しやすくなったり、胃の働きが鈍くなったりして吐き気を引き起こすことがあります。
なお、出産が近づいて赤ちゃんが骨盤の中に下がってくると、胃への圧迫が和らぎ、吐き気がすっと落ち着いてくるケースもあります。
ホルモンバランスの変化
妊娠中は「プロゲステロン(黄体ホルモン)」などの女性ホルモンが多く分泌されます。
プロゲステロンには内臓の筋肉を緩める働きがあるため、胃腸の動きが緩やかになり、食後の消化に時間がかかったり胃もたれ・吐き気が出やすくなったりする場合があります。
なお、ホルモンの影響を受ける度合いにも個人差があります。
不安やストレス・睡眠不足
臨月は「無事に出産できるかな」「陣痛の痛みに耐えられるだろうか」といった出産への緊張感や、出産後の生活変化に対する不安から、心に負担がかかりやすい時期です。
また、お腹が大きくて寝苦しかったり、頻尿になったりすることで睡眠不足に陥りやすくなります。
こうしたストレスや体調の乱れが自律神経に影響し、吐き気や胃の不快感につながることもあります。
便秘の影響
臨月は子宮による腸への圧迫に加え、ホルモンや運動不足の影響によって腸の働きが低下し、便秘になりやすい状態になります。
便やガスが腸にたまるとお腹の張りや不快感が強まり、それが刺激となって吐き気を引き起こすことがあります。
食事や水分補給を意識しても便秘が改善しないときや、つらさが続くときは我慢せず医師へ相談してみましょう。
臨月の吐き気は陣痛や出産のサイン?
臨月になると、身体のなかでは陣痛や出産への準備が着々と進められていきます。
ここでは、吐き気と陣痛、出産との関係について整理してみましょう。
前駆陣痛にともなう吐き気
臨月に入ると、本陣痛が始まる前段階として「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」と呼ばれる不規則な子宮の収縮が起こることがあります。
この前駆陣痛によるお腹の張りや痛みに誘発されて、吐き気や不快感を感じる方もいます。
なお、これも症状のあらわれ方には個人差があり、必ず吐き気が起こるとは限りません。
吐き気だけでは出産の時期は判断できない
吐き気があるからといって、必ずしもすぐに出産へつながるわけではありません。
出産のタイミングは、吐き気の有無ではなく、以下のような兆候を見ながら総合的に判断されます。
- 陣痛の規則性や発来間隔
- 破水有無
- おしるし(少量の出血)の有無
吐き気があるだけの段階なら、「もうすぐ生まれる」と焦らなくても大丈夫です。
規則的なお腹の張りや強い痛みがあるとき、破水したと感じるとき、受診のタイミングに迷うときは、速やかに通院中の産院へ連絡してください。
関連記事:前駆陣痛から本陣痛までどのくらい?見分け方と病院に行くタイミングを解説
臨月の吐き気を和らげる対処法
日常のちょっとした工夫で胃への負担を減らし、つらさを和らげられる場合があります。
身体の変化に気を配りながら、無理のない範囲で試してみてくださいね。
食事を少量ずつ複数回に分ける
胃が圧迫されている時期に一度に多くの量を食べると、胃のキャパシティを超えて吐き気が強まりやすくなります。
1日の食事量を3回ではなく5〜6回に分け、1回あたりの量を減らしてみましょう。
うどんやおかゆ、豆腐など消化の良い食べ物を中心に摂るのも効果的です。
食後すぐに横にならない
食後すぐに横になると、消化途中の胃の内容物や胃酸が食道へ逆流しやすくなり、気分の悪さにつながります。
食後は少なくとも30分〜1時間ほど、体を起こした状態で過ごしましょう。
横になりたいときは、クッションや抱きまくらを使って上半身を少し高く保つと楽になる場合があります。
楽だと感じる姿勢は人それぞれですので、体調が良いときに自分に合う姿勢を探しておきましょう。
便秘を防ぎ水分をこまめにとる
便秘によるお腹の張りを防ぐため、水分補給とお通じのケアを意識しましょう。
水分を一度に飲むと胃に負担がかかるため、常温の水やカフェインレスのお茶をこまめに飲むのがコツです。
体調が落ち着いているときは、食物繊維を適度にとったり、散歩程度の軽い運動を行ったりするのも役立ちます。
ただし、便秘がつらいからといって自己判断で市販の便秘薬を使うのは避け、必ず医師に相談して処方してもらうようにしましょう。
無理をせず休息をとる
吐き気や体のしんどさは、「少し休んでほしい」という体からのサインかもしれません。
苦しいと感じるときは我慢せず、横になって体を休めることを最優先にしてください。
パートナーや家族に家事を頼んだり、便利家電や宅配サービスを活用したりしながら、出産に向けて力を蓄える時間を大切にしましょう。
注意したい吐き気と受診の目安
臨月の吐き気の多くは生理的な変化によるものですが、なかには注意が必要な病気が隠れている場合もあります。
「これくらいの症状で連絡してもいいのかな」と遠慮せず、異変を感じたら産院へ相談することが大切です。
早めの受診を考えたい症状
以下のような症状をともなう場合は、自然な経過として様子を見ず、早めに産院へ連絡して指示を仰ぎましょう。
- 強い頭痛やめまいが続く
- 目がチカチカするなど視界に異常がある
- みぞおちやお腹の右上に痛みがある
- 急なむくみや短期間での体重増加がある
- 激しい腹痛や出血をともなう
- 嘔吐を繰り返し水分もとれない
吐き気の背景に注意が必要な病気
頻度としては高くありませんが、吐き気の裏に以下のような疾患が潜んでいる可能性もあります。
- 妊娠高血圧症候群:
妊娠中に血圧が高くなる状態で、進行すると頭痛やむくみ、みぞおちの痛み、吐き気をともなうことがあります。 - HELLP(ヘルプ)症候群:
妊娠高血圧症候群などにともなって発症することがあり、赤血球の破壊や肝機能障害などが起こる状態です。みぞおちや右上腹部の強い痛み、吐き気や嘔吐があらわれることがあります。 - 常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり):
赤ちゃんに酸素や栄養を届ける胎盤が、出産前に子宮壁から剥がれてしまう状態です。激しい腹痛や出血をともない、緊急の手術や処置が必要となります。 - 逆流性食道炎や胃腸炎:
子宮の圧迫による胸やけや胃酸逆流(逆流性食道炎)、あるいはウイルスなどによる発熱・下痢をともなう胃腸炎によって吐き気が生じている場合もあります。
これらがすべての妊婦さんに起こるわけではありませんが、症状が強い場合や急激に体調が悪化した場合は注意が必要です。
気になる症状があるときは自己判断を避け、速やかに医師へ相談してください。
まとめ
臨月の吐き気は、子宮の圧迫やホルモンバランスの変化、便秘やストレスなど、さまざまな要因が重なって起こるものです。
まずは食事の摂り方を工夫したり、無理をせず休息をとったりしながら、身体をいたわってあげましょう。
また、頭痛や激しいお腹の痛み、何度も吐いてしまうような場合には、我慢せずに産院へ相談することが大切です。
出産を間近に控えた臨月は、心も体もとてもデリケートな時期です。
「この吐き気は大丈夫なのかな」「出産に向けて準備しておけることはある?」など、少しでも気になることや不安な症状がありましたら、遠慮なくいこまともみレディースクリニック産科へご相談ください。
当院では、妊婦さん一人ひとりの体調と気持ちに寄り添い、安心した出産を迎えられるよう手厚いサポート体制を整えております。
つらい症状を我慢せず、どうぞお気軽にご来院・お問い合わせください。
