石川県白山市の女性産婦人科医　いこまともみ　です。

”安産のコツ”シリーズ、第5回は安産筋についてです。

 

安産はお母さんのためだけではなく、赤ちゃんのためでもあります。

妊娠前からハードな運動をしていた妊婦さんと、普段ほとんど運動していなかった妊婦さん。

安産になりやすいのはどちらでしょう？

実は…運動していなかった妊婦さんの方が安産になりやすいのです。

「えー！運動していた方が健康的だし、安産にもいいんじゃないの？」と思いますよね。

それはなぜか？

実は安産になるためには、骨盤周囲の筋肉がほぐれていてやわらかいことが大事なのです。

ハードな運動をしてきた女性は、筋肉が固くこっていることが多く、固い筋肉でおおわれていると骨盤の動きが悪くなります。

そのため、いざお産のときに子宮口がなかなか開かず、陣痛が長引く傾向にあるのです。

腰方形筋（腰にある筋肉）や梨状筋（臀部にある筋肉）が固い妊婦さんは難産になりやすく、ハードな運動をされていた方に多くみられます。

でも安心してください。この２つの筋肉をほぐしてあげれば、運動をしていた人もそうでない人も安産になります。

この安産筋はマッサージや軽いストレッチでほぐれます。

当院では分娩中の妊婦さんにマッサージをすることがあります。それは筋肉をほぐして分娩を促し安産に導くためなのです。

出産までにご自身でケアする場合は、お尻の筋肉をさすったり、腰をゆっくりふるエクササイズをしてみましょう。

ハワイのフラダンスやエジプトのベリーダンスをイメージすると良いでしょう。フラダンスもベリーダンスも、安産に導くためのダンスだと言われています。

 

安産のためにとっても大事な腰とお尻の安産筋。

陣痛が来るまでに、やわらかくほぐしておきましょう。