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石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
前回に引き続き 保育器ケアの重要性 についてお話ししたいと思います。
保育器は必ずしも健康状態に不安がある赤ちゃんだけが入るものではありません。
保育器は元気な赤ちゃんであっても入った方がよいのです。
その理由は ”体温調節” にあります。
産まれる前、赤ちゃんがいる子宮の中の温度は38℃です。
ところが生まれてくる分娩室の室温はだいたい25℃前後です。
38℃からいきなり10℃以上も低い環境に生まれ出てくる…。
大人でも急激に気温が10℃以上も下がったら、寒いと感じますよね。
それが生まれたての赤ちゃん…しかも裸だったら…
想像するだけで身震いしてしまいます。
赤ちゃんが誕生すると『おめでとうございます!』の言葉もそこそこに、助産師さんはすぐに赤ちゃんを処置台に運びます。
それは少しでも早く羊水で濡れた体をタオルで拭き取ることで、赤ちゃんが低体温になるのを防ぐためです。
当院ではどんなに元気に産まれた赤ちゃんでも、生後2時間は保育器の中に入り体を温めます。
そうすることで、急激な温度変化による低体温から赤ちゃんを守ることができます。
低体温になるかならないかで、胃腸動きにも影響が出ます。
低体温にならなかった赤ちゃんの胃腸は活発に動くので、便がよく出てミルクの飲みも良くなります。
その結果、黄疸も少なくなります。
一般的に黄疸で治療を必要とする赤ちゃんは全体の5~20%とされていますが、当院では3.5%です。
『赤ちゃんの今と未来を守りたい』そんな思いで、当院では生後直後の保育器ケアを取り入れています。
私が師事する久保田医師が保育器ケアの重要性について説かれています。是非ご覧ください。
久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市) 保育器(34℃)に入れる理由 – YouTube