NEWS お知らせ
- TOP
- お知らせ
石川県白山市の女性産婦人科医 いこまともみ です。
今回は お産におけるパパの役割についてのお話です。
分娩中の妊婦さんにとって、助産師はとても大きな存在です。
どこが痛いのか、何が辛いのかわかってくれて、寄り添って励ましてくれる。
とにかくそばにいてくれるだけで安心する。
産後、『助産師さんの励ましのおかげで、辛い出産を乗り越えることができた』と言ってくださる方も多くいらっしゃいます。
一方、夫はと言うと…。
横に立っているだけで、正直あんまり役に立たなかった…という話をよく耳にします。
ご主人としても、妻の助けになりたかったけど、いざとなるとどうしてよいかわからず、飲み物を渡したり手を握ったりすることしかできなかったと後悔される方も多いのではないでしょうか。
ところが、当院で導入しているガスケアプローチの分娩法では、ご主人が大活躍します!
ガスケアプローチの分娩法については、過去のブログをご参照ください。
超安産になる!~ガスケアプローチとは?~|いこまともみレディースクリニック産科分院 (ikomatomomi-sanka-clinic.com)
分娩台でのお産が難産になりやすい理由~それは道が狭いから~|いこまともみレディースクリニック産科分院 (ikomatomomi-sanka-clinic.com)
ガスケアプローチで安産になる理由~それは道が広いから~|いこまともみレディースクリニック産科分院 (ikomatomomi-sanka-clinic.com)
では、ガスケアプローチのお産でご主人が大活躍できる場面をご紹介しましょう。
まずは分娩中のマッサージです。
分娩中のマッサージは痛みを和らげるだけではなく、安産に導く効果があります。
場所によっては助産師がマッサージをすることもありますが、簡単なマッサージであれば、ご主人の方が遠慮なく希望を伝えられるので、分娩が進みやすくなります。
また、陣痛時の腰の痛みは相当なもので、強い力でのマッサージが有効です。
そんな時、男性の力がとても役立ちます。
次に、十分にいきめるように奥さんの手を押してあげるのもよいでしょう。
助産師は下半身のサポートをしていますので、上半身のサポートはご主人にしてもらいましょう。
さらに、座位の分娩では男性の大きな胸が役に立ちます。
ご主人ににつかまりながらいきむと、安定感がありいきみやすいのです。
このように当院では出産時の大きな戦力として、ご主人にお産に参加してもらっています。
なにもできずにただ見ているだけの立会い出産ではなく、出産を成し遂げるチームの一員として参加することで、赤ちゃんが産まれた瞬間から父になった実感を得ることができます。
ガスケアプローチを導入して良かったことは、父になるご主人が出産に積極的に参加できたことで、生まれた瞬間の達成感を妻と共有することができ、喜びが倍増したことです。
夫婦で一緒に出産を経験すること。それは、新しい家族の始まりです。
傍観者ではなく、痛みに苦しむ妻の力になり、心から感謝されること。夫としてこんなに嬉しいことはないのではないでしょうか。
仕事などでやむを得ず立ち会えない場合は致し方ありませんが、時間が許せば立会い出産をお勧めいたします。